受験勉強のパラドクス3選

はじめに

こんにちは。Cognitionです。

受験勉強では、さまざまな人にさまざまなアドバイスをされます。すると、人によって矛盾したことを言っている場合も多々あることでしょう。今回は、受験勉強でよく見受けられる、勉強に関するパラドクスを3つ紹介します。

環境のパラドクス

勉強をする際には、環境を整えることが非常に重要です。環境を最適化することによって、勉強の量も質も向上することが予想されます。「環境」という言葉は曖昧ですが、多くの人は「受験勉強に関わるあらゆる要素」という意味合いで用いているようです。環境は、大きなものから小さいものまで非常に多くのものを包含します。代表的なものとして、以下のようなものがあります。

  • 家庭の収入
  • 保護者のサポート
  • 周囲の友人の学力
  • 自宅の勉強環境
  • 学校の受験への取り組み
  • ...

あげればきりがありませんが、それらにこだわることは受験にとって非常に大切なことです。環境を整えれば整えるほど勉強が捗ります。環境を整えることは受験勉強の一環といっても過言ではありません。

しかし、矛盾点として、「優秀な人は環境に文句を言わない」ということがあります。皆さんも、環境のせいにするなと言われたことが多々あるでしょう。しかし、今までの話だと、環境は受験に必要な要素なので、思うような成績が出なかった原因を環境においても筋が通っているはずです。

ここでの「優秀な人は環境に文句を言わない」をもう少し丁寧に言うと、「優秀な人は自分の力で改善が不可能な環境に文句を言わない」となります。例えば、家庭環境は、受験生の力で変えられるものではありません。それが原因で勉強が進まないこともあるかもしれませんが、自分の力ではどうにもならないものに原因をおいても、何の意味もありません。しかし、普段勉強している友達と喋ってしまって勉強できなかったということであれば、1人で勉強する、友達と絶対に喋らない時間を設定して集中して勉強するといったような改善が可能です。これは、言い訳と理由の違いと非常に近いです。

今後「環境」という曖昧な言葉を使うまたは使われたときは、このように自分の中で解像度を上げた解釈をするようにしましょう。

勉強法のパラドクス

勉強法というものにも、非常にさまざまなものがあります。Cognitionでも、さまざまな勉強法を紹介しています。勉強法も環境と同じように、自分に合ったものを見つけることは勉強効率を上げるという観点から重要なことです。

しかし、矛盾点として、勉強法にこだわりすぎている人はあまり成績が上がらないということがあります。これは、勉強法にこだわりすぎるあまりそもそもの勉強に身が入っていないことが原因です。勉強法が自分に合うか合わないかは、最終的な結論はすぐには出ません。数ヶ月間その方法を試して、初めて成績に反映されます。それなのに数週間ごとに勉強法を変えてしまっては意味がありません。そもそも勉強法を試していないことになってしまいます。勉強法を最適化することも大事ですが、それ以上に継続して同じことをやり続ける大切さを忘れないでください。

バランスのパラドクス

受験勉強ではバランスよく得点することが推奨されています。しかし、それを信じるあまり、全ての教科が中途半端になってしまったという経験がある方もいるのではないでしょうか。

受験は、多くの場合は複数科目の合計点勝負です。したがって、合計点さえ取れていれば科目ごとのバランスはどうでもよく、バランスよく取らないといけないというルールはどこにもありません。もし大学側が全教科がバランスよくできる人材が欲しかったら、バランスよく得点すると有利になるようなルールが設定されるはずです。それがないということは、バランスよくできる人も、何か突出して得意な科目がある人も歓迎ということです。

ではなぜバランス論が普及しているかというと、その方が効率が良いという人が多いからです。単純化した例を挙げて解説します。英語が20点、数学が70点の人がいたとします。合格点が二科目合計100点だったとすると、あと10点伸ばす必要があります。では、どのような配分で追加の10点を稼ぐのがよいでしょうか。多くの場合は、英語を10点上げるのが効率が良いです。なぜなら、英語の点数がかなり低いため、単語・文法といったような基礎的な勉強をすれば達成の可能性が高いからです。一方、数学はすでに高得点であるため、さらに10点稼ぐには応用問題の大量の演習が必要であると予想されます。これを拡大すると、バランスよく得点するのが良いという結論に至ります。

しかし、これが当てはまるかどうかは人によります。もしかしたら先ほどの例の人は数学の才能が突出しており、数学を10点伸ばす方が容易である可能性もあるのです。人によっては、ある科目で突出した成績を取って成功体験を詰んだ結果、苦手科目に取り組むモチベーションを獲得し、成績が上がったということもあります。

どれが正解かはわかりません。したがって、受験までに伸ばすべき得点を計算し、その得点をどのようなバランスで科目ごとに割り振るのが単位時間あたりの得点の伸びが最大化されるかを自分でよく考えて決めるようにしましょう。

おわりに

いかがでしたでしょうか。世の中に溢れている言葉は、伝わりやすさのために単純化されている場合が多いです。それらを正しく解釈するためには、頭を使う必要があります(この頭を使う能力も、勉強を通して身につきます。これも勉強をする意義のひとつであると言えます)。常に自分には何が合っているかを考えて勉強を進めるようにしましょう。

Cognitionでは、生徒一人一人に合った勉強法を講師が考え、スケジュールや参考書を決めています。気になった方は、是非公式LINEを登録し、無料受験相談をしてみてください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です